四十九日までの流れを解説｜法要準備・納骨・香典返しのタイミング

この記事では、葬儀後から四十九日までに行う主な準備・手続きの流れを時系列で整理します。
僧侶依頼や納骨のタイミング、香典返しのマナーまで、
家族が安心して「忌明け」を迎えられるよう、やさしくわかりやすく解説します。

葬儀後から四十九日までの全体スケジュール

葬儀を終えた後も、遺族にはやるべきことがいくつかあります。
とくに「四十九日法要」までは、故人の魂を見送る大切な期間とされており、心の整理をしながら法要や手続きを進めていきます。

この期間は、仏教の考え方では「故人の魂が極楽浄土へ旅立つまでの49日間」とされ、七日ごとに法要を行う「中陰（ちゅういん）」という供養の区切りがあります。

満中陰	六七日	五七日	初月忌	四七日	三七日	二七日	初七日
まんちゅういんしちしちかにち（四十九日）	むかのか	いつなのか（三十五日）	しょがっき	よなのか	みなのか	ふたなのか	しょなのか

葬儀直後に行うこと（初七日までの準備）

葬儀を終えた直後は、次のような実務的な手続きが中心となります。

• 香典整理・弔問客へのお礼
• 僧侶や寺院へのお布施の支払い
• 初七日法要（葬儀当日に繰り上げて行う場合もあり）
• 遺品整理や仏壇・位牌の準備

初七日は「故人が来世での行き先を決める最初の日」とされており、
多くの家庭では葬儀と同日に執り行うケースが増えています。
また、白木位牌（葬儀時に使った仮の位牌）を本位牌に作り替える準備も、この時期に進めておくとスムーズです。

中陰期間（七日ごとの法要と遺族の過ごし方）

初七日以降は、二七日・三七日・四七日…と七日ごとに供養を行い、故人を偲びます。
これらの法要は家庭でお線香をあげる程度でも問題ありませんが、四十九日を迎えるまでの心の区切りとして大切に過ごす家庭も多いです。

この期間中にしておくとよい準備には、次のようなものがあります。

• 四十九日法要の日程を決め、僧侶や親族へ連絡
• 会場（自宅・寺院・霊園など）の手配
• 香典返しの準備や名簿の整理

四十九日を迎える意味とタイミングの決め方

四十九日は「忌明け（きあけ）」にあたる大切な節目です。
この日をもって故人が成仏すると考えられており、
供養として法要・納骨・香典返しなどの行事をまとめて行うのが一般的です。

日程は、命日を1日目として49日目にあたる日に設定します。
（一般には命日を1日目とする数え方が多いが、地域・寺院・宗派により異なる場合があります。）
ただし、平日などで親族の集まりが難しい場合は、前の週末などに繰り上げて実施しても問題ありません。
「できるだけ多くの親族で見送りたい」という気持ちを優先して構いません。

四十九日法要の準備と流れ

四十九日法要では、僧侶を招き読経を行い、参列者全員で焼香・お参りをして故人の冥福を祈ります。
当日は法要後に会食を行い、施主（喪主）がお礼の言葉を述べるのが一般的な流れです。

日程の決め方と僧侶への依頼

まず最初に行うのが、日程の調整と僧侶への依頼です。
命日を含めて49日目に最も近い休日を選び、菩提寺（お世話になっているお寺）へ相談します。
寺院が遠方の場合や宗派が不明な場合は、葬儀社を通じて僧侶派遣を依頼する方法もあります。

僧侶の都合や法要会場の予約状況、本位牌の準備などもあるため、少なくとも2〜3週間前には日程を確定しておきましょう。

法要会場と祭壇の準備

四十九日法要の会場は、自宅・寺院・霊園ホールなどから選びます。
少人数で行う場合は自宅でも十分ですが、参列者が多い場合は寺院や法要専用ホールの利用がおすすめです。

祭壇には遺影・位牌・供花・果物・故人の好物などを並べ、仏具を整えます。
この時点で本位牌への開眼供養（魂入れ）を行う家庭もあります。

会場別の特徴と費用目安

会場	費用目安	特徴
自宅	無料（準備費用が必要）	少人数向け・落ち着いた雰囲気
寺院	2〜5万円（志納金別）	宗派の正式な法要に適していしている
霊園会館	3〜8万円	会食室や駐車場が整備され便利

納骨のタイミングと注意点

四十九日に納骨を行う理由と地域差

一般的には、四十九日法要に合わせて納骨を行う家庭が多く見られます。
いつまでにしなければいけない、など期限や決まりはありませんが、
仏教の教えで「四十九日＝故人の魂が安らぎの地へ旅立つ日」とされているためで、
この日にお墓や納骨堂へ遺骨を納めることで、一区切りを迎えるという意味があります。

また、地域や寺院によっては、百箇日法要や一周忌の際に納骨するケースもあります。

霊園や納骨堂の完成待ち、冬場の積雪、遠方の親族の都合などによって時期を調整することも一般的です。

事前に寺院や霊園の管理者へ相談し、日程を確定しておくと安心です。

墓地・納骨堂の予約と準備

納骨を予定している墓地や納骨堂がある場合、早めに管理事務所や石材店へ連絡し、
以下を確認しておくと安心です。

• 納骨日の予約（四十九日当日か別日か）
• 墓石の彫刻や戒名追加の依頼
• 納骨室の清掃や供花の準備

納骨当日は、僧侶の読経に合わせて遺骨を納め、家族で焼香・合掌を行います。
この際に「開眼供養（かいげんくよう）」や「魂入れ」を併せて行うことも多く、
仏壇・本位牌の開眼と同日に実施する家庭もあります。

開眼供養・魂入れを同日に行う場合の流れ

開眼供養とは、新しく作った位牌や墓石に「魂を入れる儀式」です。
四十九日法要と同日に行う場合、次のような流れが一般的です。

1. 僧侶による読経（法要開始）
2. 位牌または墓石への開眼供養
3. 焼香・合掌・法話
4. 納骨式（遺骨を墓へ納める）
5. 閉式・会食へ移行

四十九日当日にすべてをまとめることで、僧侶の手配や参列者の負担を軽減できるメリットがあります。

香典返しの時期とマナー

忌明け後に贈るのが基本

香典返しは、故人の供養が無事に終わったことを報告し、弔問への感謝を伝えるためのものです。
そのため、忌明け（四十九日）を過ぎた頃に発送するのが正式なタイミングとされています。
最近では、法要当日に参列者へお渡しする「当日返し」も一般的になっています。

いずれの場合も、香典返しは「半返し（いただいた金額の半分程度）」を目安に無理のない範囲で品物を選ぶのがマナーです。

香典額別の品物例と金額目安

香典返しでは、誰に・どの金額で返すかを明確にしておくことが大切です。
以下の表を参考に、相場と品物の選び方を確認してみましょう。

香典額	返礼品の目安金額	主な品物例
3,000円	1,500円前後	お茶・菓子・タオルセット
5,000円	2,500円前後	カタログギフト・調味料セット
10,000円以上	5,000円〜	高級茶・グルメギフトなど

品物は消耗品や日用品が好まれ、香典返し専用のカタログギフトを利用する家庭も増えています。
表書きは「志」「満中陰志」とし、宗派や地域に合わせて選びましょう。
（神式では「偲草」、キリスト教では「感謝」「しのび草」などが用いられます。）

挨拶状の文例と送付方法

香典返しには、感謝と報告の気持ちを伝える挨拶状（礼状）を必ず添えましょう。
文面には、以下の3つの要素を入れると丁寧です。

1. 四十九日法要が無事に終わった報告
2. 弔問・香典へのお礼
3. 今後の故人供養への決意

例文：このたびはご厚志を賜り、誠にありがとうございました。
○月○日に四十九日法要を無事に終えることができました。
故人も安らかに旅立てたことと存じます。心ばかりの品をお送りいたしますので、どうぞお納めください。

送付は郵送が基本ですが、地域によっては法要当日に手渡しする場合もあります。

法要後の流れと形見分け・百箇日法要

法要後に行う挨拶・お礼

法要や納骨が終わった後は、僧侶・親族・参列者へのお礼を忘れずに行いましょう。
僧侶には「お布施」とともに「御膳料（5,000〜10,000円程度）」をお渡しします。
また、会食に参加してくれた親族や友人には、
「お世話になりました」「ありがとうございました」と一言添えるだけでも心が伝わります。

形見分けのマナーと時期

四十九日を過ぎたら、故人が大切にしていた品を親しい人に贈る「形見分け」を行う家庭もあります。
分ける際は、高価なものではなく思い出の品を中心に、受け取る人の気持ちに配慮することが大切です。
衣服・時計・本など、実用的で気軽に受け取れる品を選びましょう。

百箇日法要・初盆への準備

四十九日を終えると、次の節目は百箇日法要（ひゃっかにちほうよう）です。
この法要は、悲しみを乗り越えて日常生活へ戻る区切りとして営まれます。
地域によっては省略することもありますが、行う場合は僧侶に相談して日程を決めることをお勧めします。

また、初盆（新盆）には再び親族を招いて供養するため、日程や会場の準備を早めに始めると安心です。

まとめ

をひとつひとつ確認していけば、無理なく進められます。

故人との思い出を大切にしながら、家族が心穏やかに「忌明け」を迎えられるよう、
余裕を持ったスケジュールを心がけましょう。